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このオーディオブックは講演会での内容を録音CD化したものです。小説・物語ではないのでネタバレも問題ないと判断してかいつまんで要点に触れています。
アンガーマネジメント関係の書籍では必ず”怒りのピークは6分間”ということが言われます。つまり怒りが生じた最初の6分間に相手に何もしないでやり過ごすことでより良い結果となる方法を見出せる可能性について述べています。
著者はその6分間を保つための方法として怒りの原因について手のひらに字を指で書けと言っています。字を書くことは非常に頭を回転させなくてはならないので、怒りの最中では簡単な漢字も書けないかもしれません。なのでこれは6分間をやり過ごすためには良い方法ですね。これは著者のオリジナルな方法なのかもしれません。
講演では怒りの原因についても触れています。これもまた様々な書籍でもよく述べられていることではありますが、それは「べき」についてです。
「べき」というのは「〜するべき」の「べき」です。法律は完全ではないにせよ白黒がかなりはっきりと線引きされています。それに対してマナー・モラル、会社や組織のルール、家族間の決まり事など各個人の捉え方によって線引きが難しいことに「べき」が絡んできます。その「べき」が怒りを生じさせる原因となり得るのです。というか「べき」は怒りの原因そのものなのです。
我々人間はいかに「べき」に囚われているか自問すべきですね。「べき」を無くせば不満は激減するのではないでしょうか。
線引きについてどの程度人によって差異があるのかを約束時間の許容範囲についての調査結果から述べられています。約束時間ひとつとってもその許容範囲は30分もの差があるのです。約束時間には正確に来るべきと思っている人と30分ぐらい遅れても問題ないと考えている人とではそこに大きな差がありますね。「怒り」の元はこんなところから発生しているのです。
ひとつ明日一日だけでも意識して「べき」のない日にしてみようかなと思います。