健康の為なのか、ひたすらゴルフが好きなのかは人それぞれでしょうが、週に3、4回ゴルフを楽しむ方々がおられます、間違いなく年配の方ですが。そんなベテランゴルファーでも案外知らないこともあるのがゴルフの深い世界。何せ遠い遠い国イギリスR&Aが何もかも決めているのですからね。
今日の話題はコースの最後、グリーンのお話です。
神経を集中したパットでボールを沈めるあのホールの位置はグリーン上で毎日変わっているのです。カップホールの直径は4.25インチ(108ミリ)です。このサイズに芝生を切り取る手動のカッターがあります。T字型ハンドルのついた円柱状のカッターです。芝にこれを突き立てて力入れながら回すと芝が切れると同時に土も切り取られ所定のサイズのホールができるわけです。
作業の手順は
元のホールからカップを抜き取ります。
グリーンの違う位置に新しいホールを空けてそこにカップを入れ、ピンを立てる。
元のホールに新しく空けたホールの土と芝生を高さを微調整しながら移植する
重要なのは新しいホールをグリーンのどこに移すかです。適当に空けてあるのではないのです。
これには基本的な考え方があります
・繊細な芝を休ませるために、前日プレーヤーが出入りした場所から離したい
・ホールのエッジが崩れる前にホールを移動させる必要がある
・天気予報から判断して雨が溜まる位置から逃げておく
・人の増える休日にはプレーの進行がスムーズにいくように、狙いやすい位置にホールを持ってくる
どれも重要なことですが、まず第一に芝をいたわるという気持ちが大事なのです。いつも踏みつけられている芝は弱りがちです。また短く刈り込まれているので葉からの光合成エネルギーが足りていません。ですのでグリーンキーパーが非常に神経を使いながら芝の健康状態をチェックしているのです。
100ヤードも先から飛んできたボールの衝撃は強く、グリーン上のその凹みはボールマークと呼びます。このボールマークは放置しておくと芝が枯れてしまいます。
このように芝は極めて繊細ですので、美しく維持管理するためにはプレーヤーのマナーも大きく影響してきます。紳士のスポーツと言われるゴルフです。美しいプレーとマナーを見せていただきたいものです。