三体 / 劉慈欣(リウ・ツーシン)著 

SF 三体

17時間31分 ナレーター:祐仙 勇

かつてバラクオバマ大統領が夢中になっていると明かした純中華製SF大作。初版の中国版が2006年発刊、日本語版2019年ということで実際はかなり前の作品となります。

まず中国人氏名が馴染みがないので、名前だけでは男女も分からず、さらに音読ですとナレーターも男性なので全く???となってしまうこと多々ありです。実際のところ男女はあまり関係ないのでしょうが、イメージしたいですよね。登場人物一覧と照らし合わせて聞くほかないでしょう。

中国3000年というだけあって、時間軸のスケールが大きいです。何十年とかすぐ過ぎるし、何百年も先の心配もする。この本に限って言えば、他サイトなどのネタバレも読みながら読み進めても楽しめるのでないかなと思います。前述の中国人名の件も、物理学の小ネタも幅広いので知識を補強しながら頭を整理して読むのが正解かなと思います。

三体というのはこの物語ではVRスーツを着込んでのバーチャルゲームですが、これがただのゲームではなかったことが明らかになります。また古典的な物理学の世界では三体問題という命題が長らく議論されてきた背景もありこれらが混然として物語の進行に深く関わってくるのです。

著者の劉慈欣氏はエンジニアを仕事にしながらこの作品を書いたということで、科学的・技術的な用語を使うことには抵抗がない方でしょう。しかし、若干、それならこっちの方が、、、と思える場面などもあり、荒削りな部分もまだまだ感じられます。

全体としては面白かったなと思います。もう夢中!!というような感じではないですが。

登場人物の中に最初はえらく嫌な奴やなという印象の人物がありますが、物語の進行に伴いこの人物はかなりのナイスガイになっていきます。この辺りが一番面白いところかなと思います。

三体には続編があります。まずはこの一作目を味わってから先に進むか決めるとしましょう。

宇宙に散らばる星々に!

★★★☆☆

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