上 6時間41分
中 6時間31分
下 6時間48分
科学と宗教の戦い。イルミナティとフリーメーソン絡みの殺人事件。しかもこれが極めて高度な科学技術の悪用とくれば世界中の陰謀論者だけでなく、私だって夢中になります。
1ドル札の裏面に描かれているピラミッド。そしてその頂の ”全てを見通す目”
これが作り話でも何でもなくて現在流通している本物の1ドル紙幣にはその”プロビデンスの目”が描かれているんですよね。この目の図案自体は古くからのキリスト教会で用いられていたものらしいので素人に何かを判断する知見はありませんが、面白いと思いませんか。
宗教学、美術史学、図像学、歴史学など様々な学問分野が関わり影響し合って現代社会を形作っているのですね。陰謀論者によるまことしやかな作り話と実際に記録されている史実とを自分の知識で判別しながらこの物語を読み進めることができると理解と興味が深まりより面白いのではないでしょうか。
なお、序文でこの物語に描かれている歴史、建築などの記述はすべて史実に基づいているとされています。
神秘のベールに包まれた秘密結社イルミナティ。アメリカ大統領や各国の富裕層まで会員と言われるフリーメイソン。私の拙い知識と照らし合わせてどのくらい史実と整合しているのかそれすら分かりませんが、興味深く面白い。
深く知らない言葉があれば予備知識としてこのぐらいをwikiで知っておくだけでより深く楽しめるのではないでしょうか。もちろんネタバレにはなりません。
イルミナティ 1776年に創設の秘密結社 ドイツやオーストリアで発展
フリーメイソン 16世紀発祥の友愛団体 石工職人の組合が元になって後に変容していった
バチカン市国 イタリアはローマ市内に存在する世界最小の国 カトリック教会の総本山 公用語はラテン語
コンクラーベ 世界各地の枢機卿から教皇を選ぶ選挙 決まるまで投票を繰り返すので期間が長い
反重力 現代物理学では実証されていない現象 重力をキャンセルしてしまうような斥力
X-33 物語中のX-33は現実のNASA機とは違うがその姿は飛行シーンをイメージするのに役立つかと
ガリレオ・ガリレイ この物語の重要人物。科学上の業績があまりに多大なので全容が掴めないほど。学校で習うガリレオ・ガリレイの知識はおそらく0.01/100程だろうと思う。地動説を支持したために教皇庁の異端審問により死刑の宣告。自宅軟禁を経て失明、死去
ダーウィン 当時、種の進化を科学的に唱え、猿から進化した人間という考えは当初受け入れられなかった。現代においてもなおダーウィン的な進化論を拒絶するキリスト教福音派が存在する。それほどキリスト教プロテスタントは強大かつ影響力があることがいつの時代も問題になります。
この物語をより楽しむもうひとつの手段としてローマ観光があります。私はローマというかイタリアに行ったことがないです。もちろん映画で何度も何度も見聞きしているので何となく知ってはいますが、知識として知っているだけです。
ところが現代ではworld wide webがあります。ネットです。行ったことのない場所に降り立つことができるんです。物語の途中で出てくる地名や建物を書き留めておいたりして、途中でgoogle earthで確認したりして楽しんでいます。全く知らなかった教会建築がどんどん出てきて知識欲MAXです!これに夢中になっていると、なかなか物語が前に進みません。(笑)
世界の宗教や哲学、宗教を知っていくとあまりに多くの共通点に驚嘆します。そして科学との壁は本当は限りなく薄く、理解しない者には何よりも厚いのかもしれない。