ストーンサークルの殺人/M・W・クレイヴン著

14時間38分

これは面白い。

著者マイク・W・クレイヴンはカンブリア州のイギリス人作家。イギリスの州については全く知識がなかったので、カンブリア州というのも初めて聞いた。地質学でいうところのカンブリア紀も関係があるのかな。この地域原住民であったケルト人由来の名前らしいです。

ストーンサークルやストーンヘンジなどの環状列石と言われる不思議な構造物はイギリスでは相当の数が確認されているものらしいですね。有名な写真に出てくるやつしか知らんかったとです。驚いたことに環状列石は日本の各地にも存在しているのですね。知ってましたか。一体何のために!?不思議だな。

そのストーンサークルで連続殺人事件が起きる。主人公はワシントン・ポー部長刑事。私らには変わった名前と感じますが、やはりイギリス人としても珍しい名前として認識されています。その名前ゆえにポーの人格形成というか正義感というかそういった人間の基礎部分に強い影響を与えていることが示されています。我が国ではキラキラネームというのがよく話題になっていましたが、彼らの変わった名前は人格形成にどういう影響を与えるのだろうか。

猟奇殺人事件の解決がメインストーリーではあるが社会の闇への失望と主人公ポーの人間性の本質に突っ込んでくる展開が見事です。

イギリス人の名前はアメリカ映画などと少し感じが違ってなかなか馴染めないですね。名前からすると男かなと思っていたら、女刑事だったりするので???となって少し戻ったりしてしまいます。あと本名とは少し離れた感じのするニックネームも使い分けるので困ったものです。

この物語にも高IQの女性テリーが鋭い洞察力と飛び抜けた計算能力、IT能力でもって物語に色をつけていきます。プレミアム・ドラゴンタトゥーの女、リスベットなんかはほぼ主人公並みの扱いでした。しかし今回の女性はあくまで脇役です。箱入り娘で臆病でもあるが、強固な意思の持ち主でもある。真の友達を大切にする心優しい勇気のあるヒーロー。登場人物の濃いキャラクターってのは大事だな。小説に起伏ができるね。

「もう少し噛み砕いてくれないか。。」あまりに頭が良すぎるので周りがついていけない。この辺りのやり取りも楽しい。



ということで占星術により星は4つ付けようと思います!

★★★★☆

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